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か嫌な予感がする……。
「さーんっ!にーっ!」
黒い影は尚も牧人の足に向かって伸び続けている。こうちゃんも牧人も気づく様子はない。慌ててカウントダウンを止めようと叫ぶ。
「ちょっと待っ「いーちっ!」
どうやらこうちゃんには聞こえてないみたいだ。カメラの録画を切って止めに入ろうと考えたが
「ぜーー」
バシャン!
こうちゃんがゼロを言い切る前に牧人が滑るように海に落ちて行った。
辺りが静寂に包まれ、聞こえるのは寄せては返す波の音と、少し遠くに蝉の鳴き声……。
俺たちは呆気にとられていた。
「牧人ー!大丈夫かー!」
我に返ったこうちゃんが、静かに揺れる水面に向かって叫ぶ。俺も動画の録画はを止めて急いで駆けつけた。俺たちは何も出来ずにただじっと水面を見ることしかできなかった。
「プハァーッ」
豪快に水飛沫を上げ牧人が出てくる。
「おーい牧人大丈夫かー?」
「おう、大丈夫」
こうちゃんの心配に牧人が軽いノリで返す。
「お前も子供じゃないんだから滑って海に落ちるなんて間抜けだぞ」
こうちゃんは安心したのか牧人を海から引っ張りあげるために手を差し出しながら少しバカにし
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