終わりへの鐘

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夢中なんだ。そう悟った冴子は今更男に何を言う気もなくなり、好きなようにさせることにした。 飽きたらやめるでしょ。 それにしても受け身のままの彼女は暇だ。暇に飽かせて視線を巡らせれば、壁にかけられた小さく丸い鏡に二人の首から上が映っている。 誰、このおばさん? 思わず笑いが零れそうになるのを堪えるために自分から舌を絡ませる。ついでに男の頬に手を添えた。 脳の奥から『この淫売』と罵る声が聞こえてくる。 今更でしょう、と冴子は胸の奥で笑った。
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