占い助手シロップ

12/20
前へ
/131ページ
次へ
「どうしたんだろ、なんか頭痛がしてきた……」 「薬でも飲む?」 レッドが不調を訴えるのでさり気なく二組に視線をやると、男性グループの一人がこちらを見ている気がする。 『まさか……何か技かけてないよね』 心配する素振りで隣に移動すると、嫌な感じ……というか、落ち着かないので『姑息な手を使いやがって』と内心苛立ってきた。 身体にチカラを感じているので、ピンクを壁にしてそっと男性達を見ると一人が目元を押さえている。 私まだ何もしてない……と思っていたが、指の隙間から薄っすらと鶸萌葱(ひわもえぎ)色のオーラが出ていた。 にも関わらず、他の人には見えないのか、ピンクは気にする様子もなくコーヒーを飲んでいる。 レッドはまだ薬を飲んでないが『治ったかも』と笑顔を見せてくれ、皆で店を出る事にした。 お会計はレッド持ちだったのでしっかりとお礼をいうと、次はスイーツだよと肩を組まれたが、お腹はかなり一杯になっていた。 まだ食べたばかりだしせっかく遊園地に来たので、少し歩いてアトラクションを巡ってもいいと思う。 「あの、結構お腹パンパンで……」 どうせなら残さず美味しく食べたいが、向こうが払ってくれる手前何か言える立場ではない。 「そう?少食だね……でも新しい友達に合わせてみるのもいっか」 焼きそばを一パック貰った上、チーズたっぷりのパスタや野菜を食べきって少食と言われても、貧乏根性も手伝いまだついて行けたほうだ。 このペースに乗れるのはウチのドラム缶か王子で、瑠里もさすがに白旗を振りそうな気がする。 近くにあるキャラクター館やトロッコの乗り物も行列だったので、メリーゴーランドの近くのテーブルに座り、地図を見ながら相談する事にした。 朧達もついて来てるのは分かるが、ラクレットの店で見た二組も近くの椅子に腰を掛けている。 怪しいのはどちらかと決めつけていたが、二組共グルだったら少し厄介かもしれない。 ただ執行する訳ではないので、むしろ二人に協力して貰いストーカーは二度と近づかないよう退散させる方が、後が気兼ねなく楽しめる。 地図を覗き込むフリをしてレッド達に近づくと、早速小声で話しかけた。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加