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「うっわ、やっぱ狐絡んでくるよ、昔から性格悪そうだしヒール役にはもってこいだ」
「あらあら、印象は悪いかもしれないけどお狐様はいい神に仕える者として崇められてたのよ?ただ貴族が呪詛の為に異世界から神を来臨するようになって色々あったと聞いてる」
「あ、なんかそれ民話でも読んだような……」
災いをもたらす神を勧請したのがきっかけで後々に大変な事が起こった……ぐらいの理解だがニュアンスは似ている気がする。
「ようは金持ちが強い者に力を借りようとして、最悪な展開になるって……蜘蛛の復讐を思い出しますね」
「……まぁね、昔から悪知恵働く人っているし、特殊な能力は危険な事に利用されかねないから」
更にページを捲ると古代ギリシャ時代のような衣装を纏い、牛の頭部の被り物をした男が大きな鎌を持っている絵がありゾッとした。
「あの……魔界みたいなイラストがチラチラ入ってくるんですけど」
「ああ、牛というか草食系の動物の世界って残虐性が強くって、そのせいで別の能力が栄えたって聞くからね」
牛の世界も特殊な術を使える者がいるが、それらがトップ側につくようになってから何もかも一変したようだ。
守護神的な存在になったと書いてあるが、それ以前の出来事は吐き気がしそうになったのでサッサと飛ばした。
「簡単に切り刻みすぎですよね」
「そうね、死体はゴミのような扱いで骨が散乱してたらしいし」
今でも陰では近い事をしてるのかもしれないし、そういうのが嫌でタラサも仕事から離れたのかもしれない。
術については少し書いてあったけど、チカラを渡されたヒントにはならなかったので、お礼をいい職場を後にした。
帰りにコンビニに寄ってスナック菓子とドラム缶達の分は二個入りパックのショートケーキ、イナリ達にはチーズたらを購入した。
階段を上り玄関に入ろうとすると、母はもう待機していて、袋を受け取ると弾むようにリビングに戻っている。
イナリの足を拭いて中に入ると、案の定テレビは時代劇だったが、いつもと違う内容のようだ。
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