ミーちゃんとご褒美

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通路から外に出るまでも楽しそうな音楽と遊具の音がするので、若干ワクワクするが今日はお預けになりそうだ。 外に出て分かったのは一日では回り切れない広さという事で、敷地内にホテルがあるのにも驚いた。 「本格的なんですね……立派なホテルまであるなんて」 「全部で四つあるから好きなテーマの場所で宿泊出来る」 「でも……お高いんでしょう?」 テレビ通販みたいな質問になってしまうが、貧乏人が気になるのは入場料も含めたお値段だ。 フフッと笑みで誤魔化されたが、今度瑠里達と来ようと思っても高いなら即座に却下で終わってしまう。 狐キャラ以外に別の動物の着ぐるみ姿も見かけたが、化ければいいのにと思っても口に出すのは止めた。 敷地内を食べ歩き出来るように、ホットドッグやスティックパン、キャラのネーミングのジュースやお菓子等……商売っけも忘れていない。 遊びで来たなら思わず買ってしまいそうないい匂いと、美味しそうな見た目にチラ見の数も多くなっている。 抱っこしているイナリも食べ物のお店はガン見しているので、時間があれば何か一品買おうと心の中で思っていた。 「あそこがバイトの場所じゃよ」 朧が指さしたのは『占いの館KONKON』と分かりやすいネーミングで胡散臭さ満点の看板だった。 魔女の館っぽい紫がかった建物は、中に入らないとどういう造りか見えないようになっている。 「占いなんて出来ませんけど……」 「百合達は助手として隣に座ってもらうから」 メーンは桜舞らしいが隣の部屋に朧が待機して、私達はお飾りで座る感じだ。 建物に一歩入ると助手役なので、桜舞が視線を合わせた時に嘘なら首を横に、事実なら首を縦に振る合図を教えてもらった。 「そんなの見破れませんよ……」 他人に興味もないし占って欲しいのは恋愛に興味ある女性や、仕事や健康運等を見て貰う人もいるだろうが、そもそも話に嘘が混ざってそうだ。 占いを励みにしてるだけで、盛って話す人もいる筈だし、そんな人の嘘は逆にそっとしておいた方がいいと思う。 片思いの相手も実は私の事を……なんて期待を持って来る女性は『かもしれない』を多めにつけ、自分の妄想を踏まえて話をするに違いない。
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