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「お前達も作品の一部にしてやろう……上の仲間も一緒にな」
「出たよ、またこの感じ?解剖されんのかな」
「いや違うね、後ろに機械もあるし遺体でオブジェ作ってない?」
話せてる私達に羊が動揺し大きな悲鳴を上げたので、まるでこちらが化け物扱いされた感じで気分が悪かった。
「悲鳴上げたいのはこっちなんだよ、こんなエグイ事しやがって!金持ちの最終形態はこれか、ふざけんな!」
「そうだ!忍者探偵Ⅹを舐めるな!」
瑠里は双棒の武器を刀にしリーダー達の結界を解く時、誰も聞いてないのに忍法気合いの術と掛け声まで入れていた。
「容易く術を解くとは……お前らまさか狐の遣いか」
後ずさりをしながら質問をしてくるが、何も答えずに近づき双棒に手を伸ばした。
リーダーが攻撃をしようとした直後、奥に逃げた羊人間が戻り、小さな檻を見せ必死に大声で喚きだした。
「いいか!こいつの命は私が握ってるんだぞ!」
往生際が悪い奴と思ったがリーダーの動きが止まり、檻の中には四つ足で耳がピンと立ち、大きさはリス程度の動物が入っているのが見えた。
「何してんすか、さっさと執行して下さいよ、上の階もあるんで」
妹が即ツッコミを入れると、リーダーがあれは貴重な生物で天然記念物級だと熱弁していた。
「あんなに怯えて震えてるし……キューッて鳴いただろ今」
「強面のくせに変な優しさ見せてんじゃないよ!その行動が命取りになるんだろうが!」
巻き沿いはご免なので必死で怒鳴ると、キューッと鳴き震える物体の方から、耳を疑う言葉が聞こえてきた。
「サッサと助けろ!さもないと指一本づつ引きちぎって目玉と一緒に炒めて食べるぞコラァ!」
「……リーダー、あの天然記念物は肉食ですか?」
「いや、木の実とかブルーベリーとか食べるって聞いたけど」
「羊より暴言吐いてるし、一緒に執行でいいでしょ、アレは極悪人でいいよ」
瑠里も聞こえたようで、まとめて片付ける案を持ちかけたが、リーダーは何故か首を縦に振らない。
先に羊人間だけでも執行しようと双棒を手に構えると、誰かが入って来て遮られた。
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