占い助手シロップ

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「時期の目星をつけたいが……どう見る?」 「……新しい仲間が増えたようですが?」 なんの話か全く分からないが、お互いに腹を探るような会話でゴリラが試しているようにも感じる。 慎重なんだと思われるが、相手は神と崇められる狐なので全てお見通しだ。 見た目で疑わしいのは分かるが、このゴリラは初めてではない筈だ。 「まだ話もしてないのにさすがだな」 本物かどうかの腕試しかもしれないが、ただ占いに来ただけでないのは、隣に座る素人でも予想がつく。 すごみが効き過ぎていて、銃もしくはナイフを持っていても違和感がなく、プロと呼べる程使いこなせそうだ。 そんな奴らがホットケーキに尋ねる時期とは、告白のタイミングでも婚期はいつだという内容ではない。 むしろそうだと有難いが、このピリッとした空気は争いの匂いがプンプンとする。 もしコイツらが悪党……にしか見えないがそうだった場合、いずれイザリ屋にも依頼が入り、執行対象になる可能性もある。 「貴方はこれから力を手に入れる立場にあるのに、何を急いでいるのでしょう」 「いや……一刻も早くと」 「そそのかされて決行したところで、上手くいかないのはご存知かと……」 顔をしかめて俯くゴリラは、腹を下したような表情だが、心辺りがあるのか急に口数が減った気がする。 「――まさか、そんな」 「野心を追うがゆえ、足元がすくわれるという場合もあります」 会話が成立しているのにホットケーキがチラ見したので、ゴリラに視線をやったが聞いた感じでは嘘をついてるように思えない。 トップ争い等で戦力を高める為、追加で仲間を増やしたんだろうし、桜舞に聞きたいのはその時期だと思われる。 目元を見て因縁をつけられても面倒なので、肩の辺りに目線を落とし、嘘オーラでも出てないか観察してみた。 特に変化もなく魂も黒くないので、本当に戦いについての相談事だったのすら怪しくなってきたが、首を縦に振っておいた。 それから二言三言話をして客人は帰ったが、合っていたかの解答が気になった。
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