占い助手シロップ

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「違う世界でシロップとホイップって可愛い友達出来て嬉しいな」 焼きそばを数パック平らげた直後とは思えない少女のようなコメントに、思わず咳き込んだがウチのドラム缶と被る所がある。 彼女にとっては箸休め程度でしかなく、恐らくこれから食べに行くラクレットも軽食扱いの気がした。 「さぁ、お待ちかねのラクレットだよ――っ!」 テンションを上げた女子二人だったが、初対面でも以前から友達だったようにフランクで優しい。 まだ豚の世界からと確定はしてないが、私達がお世話になったリピネも、口は悪いが遠慮もなく楽しく過ごせた。 「あの……どちらからお見えになったんですか?」 「豚の世界だけど、北側だよ」 住む場所でこんなに違うのかと思う程、リピネは豚の顔で身体は人の豚人間だったのに対し、彼女達はボッチャリした『人』に見える。 顔かたちは違うにしても、あの世界ではボッチャリが当たり前で、私達は断食してるように思われてるかもしれない。 そんなゴボウが隣を歩いてもボディガードにしては頼りない筈なのに、明るく接してくれる空気は上部だけではないと分かる。 実際は人見知りで友達もいないが、異世界だと見た目で判断されない場面に何度か遭遇し、親しくしてくれた者もいた。 敵には『人』だと分かると下に見られる事が多いが、奴等からはどう思われようと関係ない。 その開き直りも私の心を強くしてくれたが、この会社に就職してからは金銭面だけでなく、度胸も無理やり養われた。 お店を目指す間も乗り物やキャラクターの館等が沢山あったが、後ろからの視線も感じるので馬鹿な子のフリをしておくのがベストだ。 キョロキョロしたり珍しそうにポカンと口を開けていると、ここが店だと教えてもらったが、想像より可愛らしい造りで若干入りづらい。 店の前には大きなスノードームがキラキラとしていて、そこで写真を撮ってる観光客も沢山いる。 パステルカラーが多く使われた店内も、雪の結晶の形のテーブルに椅子、天井からも雪が降ってる照明が当てられやり過ぎ感もあった。
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