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備品庫は、死神の衣装、武器、その他のアイテム諸々を管理し、貸し出す場所だ。 武器には相性があるから、討伐係や浄化係の人達は専用の武器を購入しているらしいけど、レンタルの方が整備もタダだし、面倒がなくていいので大抵の人はレンタルで賄っている。 洋服してもそうだ。何十種類もある中から、その時の気分に合わせて決められる。しかも、定期的に新作なんかも入荷しているから、オシャレにうるさい人もここを利用しているんだ。 まあ、半分以上コスプレなんだけどね。 「宝来さんはスーツですね。シロはどうする?いつものでいいか?」 備品庫のチーフ、森さんはそう言うと宝来さんから僕に視線を移した。 僕がバディを組んでいたカオさんは、着物にハマっていて衣装も全て和装だった。僕は拘りが一切なかったから、和装繋がりで狩衣や袴を着用していたんだけど・・・。 「狩衣なら、新作が入ったぞ?色はもちろん黒だが、金の縁が入って模様は桜の花だ。中々艶やかで綺麗だぞ?」 「・・・艶やか・・・」 ボソリと呟く声が聞こえ、僕は隣に立つ男へと視線を向けた。宝来さんは前を向いたままで、僕をチラとも見ない。気のせいなのかな?と、僕は首を傾げながら「僕がそんなの着ても似合わないから」と、断った。 艶やかな服なんて、色気のある辰さんなら似合うかもしれないけど、僕には無縁だ。 「じゃあ・・・これも新作なんだが、天使と妖精の服も入ったぞ?この服には天使の輪っかと、妖精の羽がそれぞれオプションでつく」 いや、そんなオプションとか要らないし。大体、衣装の色は黒と決まっているのに、天使とか妖精とかおかしいとは思わないのだろうか。 「天使の輪っかと、妖精の羽」 小さな呟きに、僕はもう一度宝来さんへと目を向けた。今度は僕の顔を怖いくらいに凝視していた。 なんとなくだけど、僕は彼が何を想像しているのか予想がついた。 僕は顔を引きつらせ、一歩後ずさる。尻尾がビクリと震え逆立った。
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