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僕は結局、ハイネックのセーターにジーンズを選んだ。その上に、裾がふんわりと広がった丈の長いコートを羽織る。 死神の衣装は、とても不思議だ。着用する人に合わせて、服がサイズを合わせてくれる。だからピッタリとフィットして、とても着心地が良いんだ。 回収係が仕事をする際の必須アイテムは、全部で3つある。 正確な時刻を刻む腕時計。 連絡を取るための通信機器。そして武器だ。 通信機器は耳に嵌めるタイプの物で、雫を逆さにした形をしている。小さなボタンを押すと、マイクが飛び出し会話が出来るようになっていた。他の部署の番号は登録してあるから、部署名を伝えるだけで接続してくれる便利アイテムだ。 「チャンネルは2ね。それで繋がるから合わせて」 森さんの声に頷き、僕は2の番号を選択する。無線のように周波数を合わせると、宝来さんとの会話が可能になる。はぐれてしまった時には重宝するんだ。 「テストして」 「ーー聞こえるか?」 宝来さんの低くて艶のある声が耳元で聞こえて、僕はゾクリと鳥肌を立てた。 「き、聞こえます」 平静を装うつもりが、噛んでしまった。何だか悔しい。 「武器は何にする?」 「俺は刀をお願いします」 「あ・・・僕は鎌にします」 「シロがいつも使ってる鎌はメンテに出してるから、今は大きいのしかないぞ?」 僕が普段愛用しているのは、銀の長い鎖の先に小振りな刃がついたタイプの物だ。森さんが出してくれたのは、柄と刃が長くて僕の身長を軽くこえていた。
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