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「カオさんの方こそ、大丈夫なんですか?・・・僕、カオさんが苦しんでいたなんて全然気付きませんでした。ずっと一緒に居たのに、一番最初に気付いて上げなきゃいけなかったのに・・・ごめんなさい」 僕の脳裏に口を大きく開けて、豪快に笑うカオさんの笑顔が浮かんだ。いつもあの笑顔に救われていた。『大丈夫』が口癖で、落ち込む僕の背中を、気合いだと言ってバシバシ叩いていた姿が思い起こされた。 ガサツなところのある人だったけど、誰よりも男前でかっこ良くて、大好きな人だったのに。 レベル4の診断書が提出されてしまうくらい追い詰められてたなんて、本当に全然気付かなかった。 『あーー・・・シロ』 カオさんが優しい声で僕を呼んだ。 『私なら大丈夫だから。そんなに落ち込まないの』 「大丈夫じゃないから、診断書が提出されたんでしょ?僕に気を使わないで下さい。僕はカオさんを本当のお母さんのように思っています。すごく大切なんです。僕じゃ頼りないかもしれないけど、カオさんの為なら何だってします。だから、僕には本当のことを言って下さい」 『・・・・・・お母さんて・・・あんた、そこはせめてお姉さんにしてくれないかな』 「え・・・ダメですか?」 『ダメに決まってんでしょ。ヘコむから止めれ』 「うっ・・・ごめんなさい」 僕はハァーと溜め息を吐いて項垂れた。 『何でシロがヘコむのよ』 「僕はダメダメなんです。今日だって、魂をひとつ闇に落としかけました」 『・・・詳しく話してごらん。聞いて上げるから』 優しい声に促されるまま、僕は朝の出来事を話した。
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