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「森さん!」 「よう、シロ、宝来さんもお疲れさん」 「森さんも夜勤に入ったんですか?」 「ああ。今日からな」 ニッと笑い手招きされる。僕は首を捻りながら森さんの傍まで行くと、森さんはバサリと二着の服をカウンターに置いた。 「・・・これは?」 「今日、入荷したばっかの新作。俺の一押しだ」 得意げな森さんをキョトンと見つめる。 「・・・えと、それで?」 言わんとしている意味が分からなくて、首を傾げれば「きっとシロに似合うと思ってな、隠しておいたんだ」と笑った。 「こっちは宝来さんの服です。形は違いますが、同じ柄で作られた衣装になります。スーツもいいけど、きっとこれも似合うと思いますよ?」 「・・・神父?」 「そう」 「でも、神父は前からあったよね?」 「あれとは違うタイプの物だ。俺が直接見て決めた。とっておきだ。着るよな?絶対着るよな?」 怖いくらいに詰め寄られて僕は後ずさった。思わずコクコクと頷いてしまう。でも、絶対ひとりは嫌だから、宝来さんへと視線を向けた。 「宝来さんも着ますよね?」 「・・・いや、俺はスーツでいい」 「着ますよね?ね?」 必死な僕に戸惑いながらも、宝来さんは「いや・・・」と言葉を濁した。 「僕とお揃いで着て下さい」 「お揃い・・・?」 「はい」 頷く僕に思案する素振りを見せたあと、宝来さんは「分かった」と頷き、カウンターに置かれていた服を取り上げ試着室へと入っていった。 「さすがシロ」 何がさすがだか分からなかったけど、僕は残された服を手に取り、もう一つある試着室へと向かった。
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