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会議室に呼び出された時に嫌な予感はしてたんだ。だって、仲は良かったけど人の居ない場所に呼び出すだなんて、告白かイジメかしか思い付かない。 告白だったらどうしようなんて、真剣に悩んだ僕がバカみたいだ。 「・・・本当に辞めるの?」 離職率の多い回収係だから、新人さんが入って来てもみんな直ぐに辞めちゃう。 でも、彼はいつもの新人とは違ってヤル気に満ち溢れていたし、やっぱりどうしてももったいないって思ってしまう。 それに、彼が居なくなると、また僕が一番下になる。諸先輩方の無理難題をひとりで処理しなければいけなくなると思えば、憂鬱にもなるってもんだ。 僕はさっきピンと立たせた耳と尻尾を、今度はだらりと下げてみせた。 「はい。俺、回収係を辞めて、回想係に行くことになりました」 「え・・・?」 「異動になったんです」 異動って何。と、戸惑う僕に向かい、城戸くんは晴れやかに笑う。 「本当は俺、回想係を希望してたんです。でも配属されたのは回収係で・・・でも、回収係もやりがいのある仕事だって聞いていたから頑張ってたんですけど、昨日突然辞令が降りて、回想係に配属されることに決まったんです」 「え、ちょ、ちょっと待って」 僕は耳をパタパタさせながら、視線を彷徨わせた。
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