勘違い

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 無論、まったく身に覚えになかったので、いったいどんな女性だったのか? 僕は強い口調で問い質した。もしかしたら、また他の宿泊客を勘違いしたのかもしれない。 「ピンクのワンピース着た、長い黒髪にクリクリと大きな目のカワイイ娘だよ。あんたの腕にぴったりくっついてたから間違いないよ」  すると、ホテルの従業員は自信満々にそう答えたのであるが、それを聞いた僕は背筋に冷たいものを感じ、一瞬にして顔面蒼白になる。  なぜならその女性の特徴は、先日、あまりにも〝重すぎて〟僕の方から別れた元カノの姿そっくりだったからだ……。(勘違い 了)
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