once in a blue moon

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交差点で走っている最中、 「こうたろうっ!」 交差点にいるのは私だけ。え?!誰?呼んだ? 振り向くとメットを被ったライダー。 マジ誰? 確かに私は昔、こうたろうって呼ばれてたよ? って事は小学生高学年時のクラスメイト? まあ、ごく一部に言われてあだ名なんだけどね。 そのライダーはメットを取って近付いてきた。 取り敢えず通行の邪魔にならない様に渡りきってから歩道に移動した。 「??? えーと、誰さん?」 「俺だよ俺!」 「えーと。生憎私には俺俺くんって知り合いは居ないんですけど…。」 「ぶはっ。相変わらず反応が面白いのな! 変わんないなおうたろうはっ! はは。これはこれは失礼いたしました。ふはっ。ノブって言ったら分かるか?」 深々と頭を下げたかと思ったら軽く首を傾げてそれでも私を見下ろすノブと名乗った彼。 ノブ…聞き覚えが。こうたろうと同じようにこれは彼のあだ名だ。本名とは全くと言って関係のないあだ名。 ビーバップからとったらしい。 その昔一度聞いたことがあった。覚えていた自分に少し驚いてしまった。 「…。あー。うん。わかった。久し振りだねノブくん!」 んー。わかってしまった。分かったら分かったで顔が紅くなって来ちゃった。 えー!十何年ぶり? っていうか、なんで十何年ぶりなのに私だって分かったのさ!と一人驚いて無言でいると、 「変わんないなって言ったよね?」 「なんかそれってショックだわー。私、小学校の頃から変わってない?」 「いいや、中学卒業式の日からあんまし変わってない。顔赤くなって(可愛いのな。)ボソリ。」 「な! うわっ! あの日のこと覚えてたの! あー!忘れて!今すぐ!デリートだよ!恥ずっ!!」 「…。割りと衝撃的過ぎて忘れられない。暇なら少し話さないか?」 「あー、ゴメンね。これから女子会なんだ。今、待ち合わせ場所に向かってる最中。遅刻しそうなの。」 「…。じゃあ、送る。」 「え?! 悪いよ。走ったらなんとか間に合うから大丈夫。」 「危ないから送らせて?」 「え! いやいや、久々に会った友人に送らせるっておかしくない?」 「俺が…送りたいだけだから…。後ろ乗って。ほら。メットも被って。」 無理矢理着けさせられたメット。()(かか)えられやっぱり無理矢理バイクの後ろに座らされた。
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