第一章

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「何の用事もないけど?」 「はぁ?」 幸人さんが顔をゆがめる。 「何の用事もないのに来たのか?」 「何の用事もなかったら来ちゃ駄目なんて言うことないだろう?」 「営業妨害だ」 「営業妨害っていうほど昔からここに客来てないでしょ。桜庭さんにだって頼まれたし」 幸人さんは口を噤んだ。 「あの、桜庭さんって誰ですか?」 「あれ?咲良ちゃん聞いてない?」 俊さんの顔が少し得意げになる。 「桜庭さんはここの前店長だよ。今の店長は幸人みたいだけど」 「へぇ、そうなんですか」
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