第一章

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「それは十分こまめに見ているといえるのでは。私なんて主に見るのは朝起きたときと寝る前ぐらいですよ」 「俺の携帯に連絡入れるのはほぼ川端さんだからな。あの人もそれなりに忙しいから、そんなに頻繁に来ないし、来たとしても義務的なことがほとんどだからな」 「なるほど」 「話し戻すぞ。それで、携帯を開けたらそこにはあいつからのメールが」 「内容は今から来るみたいな感じですか?」 「大体そんな感じだな」 「それで、幸人さんは俊さんに会いたくないから急いで逃げようとしたと」 「本当なら店を閉めたいところなんだが、そういうわけにもいかないしな。でも、小娘が店番しているから俺が表からいなくなっても大丈夫だろう?」 「私は幸人さんが消えてずいぶん焦りましたけどね」 幸人さんの同意を求めるような視線に対し、私は苦笑した。 「一人は心細かろうと思って一応電話番号教えただろう」 「それはそうですけど。まぁいいです。続けてください」 「それで俺は自分の部屋に引きこもったって言うことだ」 「はぁ。やっぱり自分の部屋にいらっしゃったんですね」 幸人さんがうなずいたのを見て私はひそかに息を吐く。顔を上げ、幸人さんが再び口を開くのを待つが一向に口を開く気配がない。 「幸人さん?」 「なんだ?」 「それで終わりですか?」 「そうだが?」     
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