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そうして言われた通り、上の部分をぱかっと外すとそこには大量の原稿用紙が入っていた。
「わぁぁ」
「咲良さんが小説家になりたがっていると幸人から聞いたからね」
川端さんはそういい、立ち上がると食器棚の隣にある高さ5,60センチほどの棚の扉を開けた。そこにも原稿用紙がたっぷりと詰まっている。
「ほら、ここにストックもあるから好きに使ってね」
「ありがとうございます!川端さん」
ここまでしてもらったんだから頑張らないとなぁ。決意を新たにして、箱を閉めようと茶色のふたを裏返したとき、ペンを入れられそうなくらいの袋が裏についているのを発見した。
「あぁ、それはね、ペンを入れるところだよ。そこは使わなくても使ってもいいけど、とりあえず中に入れるペンは幸人がくれるはずだから」
川端さんにさらりと言われ幸人さんのほうを見ると、幸人さんは気まずそうにそっぽを向いた。
「ま、まぁあれだ。小娘も頑張ったしな。それぐらい買ってやらんことも」
「あれ?幸人まだ買ってなかったのかい?」
川端さんが驚いたように言う。それを聞いて幸人さんは頷いた。
「川端さんのように俺は神様じゃないので。合格するとは思ってましたけど、万が一があるかもしれないじゃないですか」
「私が予知できていただろうっていうことかい?」
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