プロローグ

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「では、アオ様のお部屋は七階の七〇二号室です。あちらにエレベーターがございますので、ご使用ください。エレベーターの扉のすぐ横にチェック係が待機しております。お手数ではございますが、七階に降りられましたら最初にそちらでお荷物のチェックをしていただきます。その後午後五時にお夕食と共にミステリーゲームの説明がございます。詳しくはチェック係より再度お話します」  彼女がそう言うと(かたわ)らに待機していたボーイが私の元に歩み寄り、横に置いていた鞄を持ち上げた。 「はい。どうも」  部屋の鍵を受け取り軽く会釈をしてエレベーターへと向かうボーイに続いた。    七階に着きエレベーターの扉が開くと、ボーイは「どうぞ」と私を促す。  降りると、フロント係の女性が言ったようにチェック係が待っていた。簡易な組立テーブルに白い布を敷き、即席の荷物検査場を(こしら)えていた。  床にはロビーと同様に緋色の絨毯が敷き詰められ、壁には瀟洒な照明が一定の間隔で飾られている。それらとあまりにも対照的な簡易検査場はひどく滑稽だった。    チェック係から再度夕食の場所や時間の説明を受け、荷物検査は十分程度で問題なく終了した。  その後ボーイが部屋へと案内してくれた。外観から覚悟はしていたが、思った以上に豪華で広かった。ボーイは慣れた口調で避難経路の確認やテレビ、フロント直通の電話の使用方法など一通りの説明を終える。 「何か不明点はございませんか」 「特にないです。ありがとう。でもこれだけ広いホテルだと、ゲームに関係のないお客さんにも迷惑は掛からないだろうね」  私の独り言のようなその言葉に、ボーイは微笑んで答える。 「ご安心ください。本日より一週間はゲームの関係者の方で貸し切りですので。私を含めホテルスタッフも皆ゲームの進行のお手伝いをする予定です。どうぞお楽しみください」  マジか。  呆気にとられる私に、彼は深く一礼して部屋を出て行った。    夕方まで数時間空く。が、今日は早起きをしたためすこぶる眠い。とにかくベットに横になりたかった。  私はふかふかのベットにダイブした。気持ちが良かった。
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