真夜中に荷物の来る家

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 ある夜、逃げるように東京に戻った。  離婚にさえやけに良い条件で応じてくれた旦那は、実家に私の荷物を全部送ってくれた。  それの中に紐のかかった小包が混じっていた。私はそれを何重にも縛って、ゴミに出した。  あの家から出てよかった。いつしか紫がかった白になっていた私の左手はもう動かないけれど、今でもそう思っている。
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