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しかしハナはカッコいいヒロよりもちょっとカッコ悪いヒロの方が愛おしい。なのでじっと見つめる。そうするとさらにヒロは照れて、額があせばんできた。ハナは間違いを承知で聞き返す。ヒロとくれば思いつくワードがこれしかない。
「あれって何? ハト?」
「何でそこでハトや! ちゃうねん、ほら、な? ハナの言うシチュエーションって、まるでふ、夫婦みたいやん、新婚の……」
かああああぁ。赤面したヒロがハナを見返した。
「なんでそんなに照れるん? 僕らとっく付き合うてるのに」
「で、でも最後までしてへん。せやからこの流れで今度こそハナもそういうつもりなんかなって……クリスマスやし……がんばろ?」
かああああぁ。今度はハナが照れた。
―――――――――そうなのだ。
なんと二人は未だに清らかさんだったのである。
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