いつでもとなり

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*******  さてさて。  ハナが奮闘している頃、相方であるヒロはお目当ての店に辿りついたところだった。  が、足を踏み入れた途端、異様な雰囲気に立ち止まった。小柄な男が大声で難癖をつけ、店の中の空気がピリピリしている。店長とおぼしき男性は気の毒なほど委縮していた。 「申し訳ございません。お品物に不備がございましたでしょうか」 「そういう事やあらへん。使わんことになったんや。だから返す言うてるんや」 「失礼ですが、お客様都合での返品はご遠慮願っております」 「なんでや、買うた店は違うてるけど姉妹店やろ。間違いなくここのブランドの品物やで。使うてもおらんのに返品できんとはどういうことや!」 「ではレシートを拝見させて頂いてよろしいでしょうか。レシートがございませんと、返品の受け付けはできかねることになっております」 「ガタガタ言うなや! 客に手間取らせんと俺の買うた店に電話してみろや。今日の午前中に行ったばかりやで。絶対に覚えとるはずや!」  あれ? 騒いどるのってペン太やないか。  聞き覚えのある声、口の悪さ、ペン太に間違いない。ヒロはノコノコと歩み寄った。 「何しとるーん?」  ペン太はいきなり現れたヒロに目を剥いた。 「お前こそなんでこんなところにおるねん!」 「買い物や。それより騒ぎはアカン。店の人、困っとるやろ」  長身だから仕方ないが、ヒロは小柄なペン太を常に見下ろす形になる。いつも小馬鹿にしているヒロに諭されて我慢ならなかったのか、ペン太はまなじりを吊り上げて反論した。 「うっさいわこのボケ! そもそも全部お前のせいや!!」 「ほへ?」 一方的な言い草にヒロはきょとんとする。その間抜け面がますます気に障ったのか、ペン太の怒りの矛先は完全にヒロに向かった。
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