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ぐるぐるぐるぐるぐるっぽー! ぐるっぽー!
ぐるぐるぐるぐるぐるっぽー! ぐるっぽー!
「ぽっぽー!」
ハナの合いの手に一丸となった群衆も「ぽっぽー!」と返す。いざ踊り始めると単純明快なハトリズムに、皆ノリノリである。
この総ハト化現象を目の当たりにしたら、時代を待ちかねていたマンションの鳩たちはさぞ感無量であろう。
軽快に曲は流れ、一番、二番、と順調に進んでいく。
しかし所詮、番組のイントロ曲、基本的に短いのである。じゃじゃじゃーん!と締めの旋律が流れ、ミラクルタイムが終りを告げた。
が。
ヒロはまだである。
そしてこの状態で素にもどったらハナの精神は崩壊である。
その危機的状況に本能が回避命令をだしたのであろう、終わりの一息を与えずに、ハナの指は再び曲の再生をタッチしていた。
「カモン!! エブリバディ!!」
「おぉ??」
「レッツ倍速ぽぅ!!」
「うおおおおー!!」
おそらく無心で身体を動かすことで、人々にアドレナリン的なフェロモンがだーっと放出されているに違いない。
群衆はハナの呼びかけに応じ、早速身構えた。しかしここから始まるのは思考力を奪う過酷な倍速バージョンである。
ぐるぐるの手羽回しがあまりに高速で見えない。真冬なのに誰もが汗だくである。
ハトダンスは無制限エンドレスに突入した。
この圧巻の絵面、巨匠がここにいたら「ドローンを飛ばせ!!」と叫ぶに違いない。
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