410人が本棚に入れています
本棚に追加
ただでさえこの恋を自覚してから、ヒロはハナを見るだけで愛情が湯水のごとくダバダバと湧き出る状態なのである。そのハナが至上最強に愛らしい。しかもここぞとばかりの至近距離だ。
……ごくん。
ヒロの喉仏がゆっくり上下した。可愛い。ハナが愛しい。
心臓が暴れ出し、連動して下半身も熱くなる。これまで多忙な日々で禁欲していたこともあり、久々にオスとしての本能がビン!と頭をもたげた。
「ぎゅっとしてもええ?」
「は?」
「俺めっちゃしたい、いまハナが欲しい」
ヒロは情熱的にハナに迫った。さかった男に余裕はない。一秒でも早く寝技に持ち込みたいという一念のみである。
「え、けど、ごはんとか」
「後でええ」
「お風呂とか」
「どうせ入り直しになる。俺のビックマグナムが暴れたらタダではすまされん」
にやり。経験もないくせにヒロは不敵に笑った。
ヒロは驚いたままのハナの肩を掴んだ。華奢なその肩はヒロの手に簡単に収まり、ハナは促されるままに顔を上げた。
チューがくる……
こんなイケメンさんで面白うて、優しくて働きもんのええ男が僕の彼氏やなんて、夢みたいやなあ…
ハナも冷静なようでかなり強烈な恋愛補正が入っている。だが、確かに近づいてくるその顔は、見惚れるほどに美しいのだった。
「俺のもんにするで」
「うん」
唇が触れる寸前のヒロの言葉に、ハナは素直に頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!