いつでもとなり

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「ハナ、ヒロ! 支度終わったら出てきて。オイリー先輩と一緒に行くよ」  ドアの向こうの佐崎の声に追い立てられ、二人はいよいよ着ぐるみを手に取った。その下は動きやすい服装にするのが常だが、今日は紅白歌合戦という権威ある番組に敬意を表して白いシャツに蝶ネクタイをしている。  そのネクタイこそヒロのハナへのプレゼントだった。 「ハナ、曲がっとる。こっち向いて」 「ん」  どうせ着ぐるみで隠れてしまうが、そこは心意気である。ヒロはハナの前に立ち、ネクタイを直しながら言った。 「めっちゃ似合うで。俺の見立て通りや。いつかこの姿で、二人で漫才やろうな」  そのいつかは常にヒロの頭の中でイメージされている。お揃いの蝶ネクタイをしめて隣りに立つと、そんな日がすぐ近くまできている気がした。 e5fa8e48-a220-481c-80ec-3fb8f597a2f7Byまなかさま
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