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ネクタイが直っても、ヒロはまだその端をつまんだままいじっている。そしてはやばやと頬を染めて言った。
「なあ、ハナ。結局クリスマスは流れてもうたし、お正月こそ家で過ごそ?」
「うん。お笑いの特番いっぱいあるしね」
「いや、テレビは見いへん。お正月はハナのことだけ考える」
「僕?」
「せやから一日中ハナとだっこしたりチューしたり、その、そ、そっから先とか今度こそ……して……あの、過ごしたいんや……アカン?」
「アカンことない」
すぐに返ってきたハナの承諾に、ヒロはさらに赤面した。ハナは一歩分進んで、ヒロの腰に腕を巻き付ける、ハナからの抱っこにヒロは沸騰寸前だった。この喜びを言葉で探せず、衝動的に唇を合わせにいく。
「ハナ、」
「んっ!」
角度もへったくれもないキスは勢いあまってゴチンとぶつかった。
事故同然の接触だったのに、ヒロは照れるあまり目にもとまらぬ速さで着ぐるみの頭部を被った。
そして突然すぎて目を丸くしているハナが愛しくてたまらず、理性を保つためにハナにもガボッと頭をかぶせた。
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