411人が本棚に入れています
本棚に追加
/609ページ
よし。大丈夫や。
エレベーターのドアが開く。
スタッフに先導されてオイリー先輩がまず舞台に上がる。歓声と音楽。まばゆいスポットライトに舞台は照らし出される。
二人は促され、さらに先にすすんだ。待機の間、ちょっとだけ手羽の先をつなぐ。
これからもきっと、沢山の問題にぶつかるだろう。
コンビとしても恋人としてもまだまだ発展途上の二人だ。ビックマグナムは不発のままだし、新しいネタはいつまでたっても完成しない。来年はもっと忙しくなるのか、それとも一気にヒマになるのかもわからない。
新しい仕事を抱えるたび、ハナは確実におろおろし、ヒロはその仕事をこなすので必死になるだろう。だがその大変さはきっと、その先に大きな喜びも伴ってくるに違いないのだ。
「ここはアレですな、はじまりはまず景気よく盛り上げていかねば」
「となるとあの二人しかいませんな」
オイリー先輩の台詞と同時に、ハトダンスのオープニングが流れた。わあぁあと会場が期待でどよめく。
「「ほな、みんなで踊りましょう、ハナヒロの登場です! どうぞ!」」
ヒロは始まりの決めポーズを作り、舞台に立った。曲の音量がぐんと増す。ハナも立ち位置で手羽を広げる。前奏が終わる。
![7aaa7b69-4a1d-4aef-a2d7-cf0377f2c25c](https://img.estar.jp/public/user_upload/7aaa7b69-4a1d-4aef-a2d7-cf0377f2c25c.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!