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『ぐるぐるぐるぐるぐるっぽ~ぐるっぽ~ ハトはご機嫌ぐるっぽ~』
ハナとヒロが声を合わせてタイトルコールした。
「ハナと」「ヒロの」「「ハトチャンネル~」」
二人はスタジオに常設されたお茶の間セットで、こたつから手を振った。
この番組も無事に一周年超え、嬉しいことに年末スペシャルを放送する運びになった。深夜の短い番組だが、スペシャルが組まれるのは実にありがたい。それはすなわち好評の証だからである。
「ハトチャンネル、なんと今日は放映時間が810秒拡大です!」
「ええッ、すご! 810秒も?! なんで?!」
わかりやすく810=ハトだからである。しかし単純なヒロは俄然やる気を出して腕まくりした。
「すごいわ、これはえらいこと長丁場になるで。もしかして徹夜ちゃう?」
「うん、ヒロあのな、810を60で割ったらわかるけど、ぶっちゃけささやかに13分ちょい増えるぐらいや」
ハナは優しく微笑んだ。ハナはヒロがボケで言ったわけではなく、ガチで身を乗り出したことを知っている。長年の付き合いである。
「でな、今夜は年末スペシャルやから、今年一年を振り返って欲しいんやて。という事でこれ!」
ハナはこたつ布団をめくりあげバーン!とカレンダーを取り出した。なんと普通のカレンダーではない。特注のハナヒロカレンダーだ。
感激しやすい男・ヒロは表紙を見ただけで狂喜した。
「うわあ俺たち飛んでるやないか! ハトにつぐハト! めちゃくちゃ可愛ええ!」
「熊野工房さんのオリジナルなんやて。後で貰ってお家に飾ろ?」
「うんうん! うちの茶の間にぴったりや。もう今日からこれでええ!」
「それは来年まで待とうや。けど、これを見ながら話すのは月々の思い出話するのにちょうどええやろ」
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