![d3d3c644-10cf-4106-bf7b-d0c5846850ea](https://img.estar.jp/public/user_upload/d3d3c644-10cf-4106-bf7b-d0c5846850ea.jpg?width=800&format=jpg)
「ああぁ、もうッ、ダメダメダメー!」
スタジオに巨匠・宮本の声が響き渡った。宮本のこめかみには青筋が浮いている。芸術に一切の妥協なし、その気迫で宮本が取り組んでいるのは、ライフワークであるヒロの写真集『ヒロ・素顔のままで___第三弾・銀河とともに」である。
なんで銀河なのかと言われても、そこは芸術家のインスピレーションとしか言いようがない。何はともあれ、銀河→天の川→七夕という安直な流れでヒロは彦星に扮してポーズを取っていた。
「ううむ……足りん……ヒロだけではこの宇宙的スケールを伝えきれん」
そもそもメインは宇宙ではなくヒロなのだが、宮本のイメージは宇宙寄りに爆走しているらしく、さらなる熱い指示が飛んだ。
「そもそも彦星が一人で突っ立ってたって絵にならないんだよ。織姫なしに七夕は成立しない。さっさとモデルを連れてこんか!」
しかしこれにはヒロが反発。猛然と横やりを入れる。
「いややー! そこらへんの赤の他人相手に情がわくはずあらへん、俺の織姫はハナだけやー!」
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