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「二人はハトからウサギに乗り換えたでポッポよ」
「ウサギに?」
「テレビをつければわかるでポッポ、今やハナヒロはポッポの着ぐるみじゃなくて全力でウサギなのでポッポ」
耳を疑う発言だが、真剣なハトの涙に弁天さまも放っておけなくなったらしい。
「ええーと、テレビ……ここにテレビはないけど、ちょっと集中すればご近所のおうちのテレビが覗けるからちょっと待ってて」
さすが神、チートな技でハナとヒロの画像を遠視しはじめた。その間もドジっ子ハトの嘆きは止まらない。
「悲しいでポッポよ……そりゃウサギは可愛いでポッポよ? ふわふわで、耳も長くて、ペットとして人気があるのもワカルでポッポ。でもハトにはハトの良さがあるのでポッポ。それに有能ポッポよ、伝書バトにもなれるし、手品でもお役に立てるでポッポ」
(ポッポポッポってちょっと静かにしてくれないかなあ……うーん……あ、これだぁ!)
ドラマを視聴中のテレビがCMに切り替わった。その瞬間、弁天さまの目に飛び込んできたのは、まごうことなきウサギの着ぐるみを着たハナとヒロの姿だった。
「本当だ、二人ともウサギになってる!」
しかもヒロが極太の棒を振り上げては振り下ろしている。おびえたようにしゃがむハナ。まさかの暴力? しかもウサギで?
キャラ変でもしたのかと思いきや、バトル音とは思えぬぺったん、ぺったんという長閑な響き……
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