9月

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『ウサギ堂本舗の杵つき団子はもちもち団子!』 『ウサギ、全力で団子作ってます!』 『いくでハナ!急がな月見に間に合わへん』 『ほな、お水つけるで、せーの!』 『『ぺったん!!』』  ♪もちもち団子はウサギ堂~十五夜までの絶賛キャンペーン中~♪0b0c886f-a282-4b04-aa64-1a946fba101e 「ハトちゃん……あのね、たぶん大丈夫……」 「だいたいウサギは寂しがり屋とか、そういう人の優しい心にきゅんとくるような事言ってずるいでポッポよ、ハトは図太く人の生活圏に入ってるようにみえるけど、あれだって勇気をもって気合で餌を取りに……ぽ?」 「十五夜を過ぎたら二人はハトに戻るから、安心して」 弁天さまのお告げに、ドジっ子ハトは歓喜のあまり目を丸くした。 「ほんとにポッポ? 本当にそれが叶ったらお礼に美味しいものをお供えするでポッポ!」 「そんなの気にしないでいいよ~」 「さっそく見守るでポー!!」   落ち着きのないドジっ子ハトは喜び勇んでハナヒロのマンションへの飛び立っていった。 「美味しいものかあ……ふふ」  弁天さまは空を見上げて微笑んだ。これはもしかしてウサギ堂のもちもち団子が食べられるかもしれない。そうしたら可愛がっている神木の神さまのせんじゅと一緒に食べよう。  次のドジっ子ハトの来訪が楽しみな弁天さまだった。 ******  後日。  ドジっ子ハトはお告げ通り十五夜を過ぎてぱったりと途絶えたウサギのCMに、その鳩胸をなでおろしていた。  弁天さまはさすがでポッポよ……ありがたやありがたや  ほくほく顔で森の上空を飛んでいる。すぐにでもお礼に行きたかったが、上物を集めるのにちょっと手間取ってしまった。でももう大丈夫、仲間に声をかけ、特大のぷりぷり青虫をごっちょり捕まえた。御馳走である。  きっと大喜びでポッポ……  ドジっ子ハトは一刻もはやく弁天さまにお礼をすべく、力強くその翼を羽ばたかせたのだった。   ※ こちらの素敵な弁天様が登場するエッセイは和來 花果(かずき かのか)さま(https://estar.jp/users/117962165)の『今日も弁天日和』。のんびりな雰囲気、とても癒されます♡ https://estar.jp/novels/25690054
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