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「今は一人じゃないだろ?隼人は俺のものだからな。もう一人で寂しく思うことなんてない。いつだってこうやって話すことだって抱きしめることだってできる。なんでも言ってくれ。隼人の全部が知りたい」
安心させてやりたいと思う気持ちと欲しいという気持ちが交差する。この腕に抱きしめて甘やかしてやりたいと欲を掻き立てられる。
「さっき、何を言いかけてたんですか?」
吐息が漏れたように聞こえたのは聞き間違えなんかじゃない。俺を見つめて上気させる顔がチラつく。
「声を聞くと抱きしめたくる。ここに隼人がいないことが寂しくてな。甘い声が聞きたくなったんだ」
しばらく音が聞こえなくなる。まっかに頬を赤らめて瞳を潤ませている様子が目に浮かぶ。
「……いいですよ……僕も琥太郎さんの僕で感じる声が聞きたい。どうすればいいですか?」
俺を欲しがって甘い吐息を漏らしている隼人の痴態に熱がこもる。
下腹部に抗うことなくベルトを外した。
自慰をするなんていつぶりぐらいになるだろう。
そう思いながら股間に手を伸ばし覆われた布から取り出した。
晒される外気に熱のこもった芯に触れる。もうすでに立ち上がったモノを擦り上げた。
「隼人、スピーカーに切り替えて。そうだな、置き時計のそばにでもスマホを置いて。壁に持たれてズボンを少しずらして……」
コトンとスマホ置いた 音がする。素直にそれに従う隼人が可愛くて、俺を欲しがってくれていると思うだけで胸が熱くなり握りしめる俺の分身を緩く抜いていく。
布の擦れる音に、隼人の様子に、聞き耳を立てスマホを肩を支えに耳に押し当てた。
「琥太郎さん……」
震える声が甘く俺を呼ぶ。そうして俺は高まる愚息に吐息を漏らした。
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