第1章

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高嶺さんに出会ってから二年。実際には美紅ちゃんをお預かりしてから二年だけど。 毎日高嶺さんに会える嬉しさといったらない。日曜日もお仕事の日がありサプライズみたいで嬉しくてはしゃいでたり。個人情報を覗けばちゃんと奥様はいらっしゃる。 なのに連れて来られるのはいつだって高嶺さんだ。まあね、いんだよ。奥様が送り迎えしないお宅も沢山あるし。 でも、高嶺さんが愛してらっしゃる奥様も見てみたい。 それで落ち込む僕もまた知ってみたい。変だと思うかもしれないけどノンケを好きになれば当たり前にあることだから。 彼のことを知りたいのは皆と同じ。好きな人のことはなんだって知りたいものだしね。 高嶺さんに出会ってからというもの僕は大きく変わった。 何がって諸々大きく変わったんだ。出会いを求めて夜な夜な出かけることをしなくなったし、貧弱な体を肉体改造しようと目論んでる。 高嶺さんはラグビーをしてただけあって逞しくて格好いい。 抱かれた時、貧弱な俺の体を見て萎えたら嫌だなぁってジムに通い始めた。髪型だって高嶺さんは短髪で素敵なんだ。だから僕も手入れをするようになった。柔らかくて猫っ毛な髪を少し伸ばして触りたくなるような、触られた時にうっとりしてくれるような髪を目指してる。
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