第2章

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合わさった唇が、深く絡めあった舌先を求めればドクドクと何かが混じり合うような錯覚をしてしまう。 もっともっと混じり合うように溶けて高嶺さんと一つになりたいと、気持ちが求めてすべてを取り込もうとするように求めていく。 服の下に滑り込んだ温かい体温が這い回る。それがすごく気持ち良くて腰が揺れた。全て剥ぎ取られた肌を、確認するように隙間なく撫でられ痺れる感覚に酔っていく。 「隼人、綺麗だな」 高嶺さんはそう言って雄の顔を覗かせた。 妄想してた高嶺さんじゃない。思い描いていた高嶺さんは重みも甘い痛みも与えてくれなかった。 荒々しいのに触れる手は優しい。求めてくれてる僕を。 さっきコンビニで買ってきたんだなって、もう堪んなくなったそれはベッドの下に転がっている。 僕が泣いて誘い躊躇っている時にはもう高嶺さんは僕とこうなることを予測してたんだ。 もう全部お見通しなことに恥ずかしいと思う気持ちと、言葉に出来ない僕を、ちゃんとわかってくれてたんだって堪らなかった。 「高嶺さん、好きです。大好きです」 溢れる涙を拭いもせず何度も何度も伝えた。その度、僕の名前を何度も呼んでキスをして蕩けてしまう腕の中へと抱きしめてくれた。 好きな人とするセックスがこんなに身体中から気持ちが溢れて、触れられることが気持ち良いことなんて知らなかった。 僕のしてきたセックスは何だったんだろうって、あんなのはイミテーションなセックスなんだって情けなくなった。 高嶺さんを好きになってから誰にも触らせなかった身体は新品じゃないけど。愛されて満たされたことのない細胞一つ一つは生まれ変わっていくみたいだったんだ。 荒い呼吸を整えるように果てた高嶺さんが僕のそばに横たわる。引き寄せ抱きしめられたその逞しい胸にすり寄った。 「明日はゆっくり二人でいような」 こめかみにキスを落として囁いてくれた。高嶺さんとの初めての約束。それが嬉しくてうんうんと頭を振った。 明日は何をして過ごそう。明日の高嶺さんも独り占め出来るんだ。
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