2人が本棚に入れています
本棚に追加
「今回はゆっくりしていけるの?」
「うん。有給と合わせて休み取ったから」
お盆休みを利用して久しぶりに実家に帰ってきた。母親が嬉しそうに迎えた。今年は同期会があるというので頑張ったのだ。
「やっぱ落ち着くなぁ」
高校時代のままの自室に荷物を下ろすと窓を開け放つ。南からの風が心地よかった。ゴロンと畳に横になる。ゴロンと畳に横になった。久々の実家は懐かしくもあり、居心地がいい。移動の疲れもあってうとうとしてきた。同期会まで時間がある。ちょっとだけと、そのまま寝てしまった。
「帰ってきた」
「なかなか隙がなかったからね」
「原因不明の突然死かな」
「代償は払ってもらわないと」
窓の外でボソボソ誰かが喋っている。ぐっすり眠っている拓哉の耳には届かない。
畳の上の拓哉がカッと目を見開いた。胸をかきむしり、口を大きくパクパクさせながら必死にもがき始めた。
最初のコメントを投稿しよう!