つめたい星の色は、青

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 園田と別れた後、しばらくして他のクラスの男子と彼女が一緒にいる姿を見て、日野は正直安心した。もっとふさわしい相手を選べたんだろうと。宮坂もあっちゃんも深くは聞いてこなかったけれど、あんな女は忘れろと日野を励ます為に、ラーメンとハンバーガーを奢ってくれた。嬉しかったのだが、本当の胸の内は話せなかった。  自分が普通じゃないから彼女を傷つけたんだと、自分が全部悪いんだと、ずっと自身を責めていた。そうじゃないと言ってもらえたような気がして、ようやく溜まっていた澱が消えていくような気がした。でもその嬉しさをどうやったら水本に上手く伝えられるのだろうか。
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