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それから毎日、日野はこっそり生物室に足を運ぶようになった。文化祭の準備は日に日に関わる人数が減っていった。たかが行事に本気になってと笑う人達と、なんでもっと真面目にやらないんだと非難する人達に分かれ、正直クラスのムードはあまり良いものではなくなっている。やる気のない奴は帰れよ、と怒鳴る人達をクスクスと笑う人達。中学の時もこんなことあったと思い出しつつ、日野はどうにも拠り所がなくて、クラス内の抗争とは全く無関係で一人マイペースな水本を羨ましく思った。それを自分だけは関係ないって顔してむかつくと批判する人達もいるけれど。誰も水本みたいにはなれない。
「いつまでもこんなとこにいると、さぼってるだの何だの影で色々言われるから、早く教室に戻れば。おまえは嫌だろ、そういうの」
日野が生物室に行くと、水本はいつもこう言う。日野が手伝わずとも、プラネタリウムの星の穴はもうすぐ開け終わるようだ。
「水本はさ、休みの日とか、何してるん」
「……そんなこと、本当に知りたいと思ってんの?」
「思ってるよ」
「じゃあ、人に聞く前に自分が何してるか言えよ」
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