つめたい星の色は、青

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 たとえば深い闇の中に輝く星のように、群青の制服の群れの中で浮き立って見え、もう目が離せなかった。それは日野にとって特別である証で、その他の人々にとっては彼が排除すべき異質な存在であることの証であった。  君はなんでこんなところにいるんだろう。初めて水本を目にした瞬間、日野はそう感じた。去年のいつ頃だっただろうか、騒々しく乱雑な生徒たちの中をすり抜けるように一人歩く姿を、日野は今でもはっきりと思い起こせる。きゅっと口を結んで少し俯きがちで、華奢なくせにやたら早足で歩くから時折少しふらついて危なっかしく、でもうっかり触ってしまったら脆く壊れてしまいそうな。荒れ果てた野原を真っ白に染める雪のような、冷たさと美しさ。あの黒目がちで大きく鋭い目で真っ直ぐに見られてしまったら、どうなってしまうんだろう。こんなに綺麗なものがあるんだ、と日野はすっかり見惚れてしまった。  それから日野は廊下で彼を見かける度に目で追った。その頃付き合っていた彼女、園田と廊下で話している横を彼が通った時に日野がつい振り向くと、「あ、水本」と園田がつぶやいた。 「知ってんの?」     
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