つめたい星の色は、青

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 夕食後、日野は居間のこたつでテレビを見ていたらいつの間にか寝てしまい、寝るなら自分の部屋で寝なさいと母親に揺さぶり起こされた。寝起きで頭も身体も働かず、ぼんやりとテレビの画面を眺める。これあんたんとこじゃないよねえ? と日野の母はテレビの画面を指差した。  市内の小学校で教諭が児童を車に連れ込みわいせつな行為を繰り返した容疑で警察が逮捕に向かったが逃走、近くの建物から飛び下り死亡したというニュースだった。見た瞬間にあの先生だと思い、身体中の血の気が引くのを感じた。一気に目が覚めて慌てて自分の部屋へ戻り水本に電話すると、やはりそうだった。 「良かったね、って言われたよ。父親に」  疲れきったようなか細い声。やけに淡々としていて、なんだか怖い。 「……良かったって言うのはなんだけど、先生のことはこれで全部終わったんだよね?」 「そうじゃなくてさ。いつから気付いてたんだろうと思って……だって小学校の頃のことは日野以外には誰にも言ってない……」     
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