つめたい星の色は、青

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 能天気に笑いながら肩をたたく西谷にそう促されて、水本は怪訝そうに上目遣いで日野の顔を覗き込む。変な勢いを出してしまって、更にそれを水本に見られたことが恥ずかしく、顔が赤くなっていくのがわかる。しかし部活をやっていた、というのがあまりにも意外だ。本当にまだ彼のことを何も知らない。  足跡ばかりが響く人気のない旧校舎の仄暗い廊下を、日野は水本の半歩後ろについて歩く。先に口を開いたのは水本だった。 「なんか西谷に言われて適当に入るって言ってたけどさ。活動なんて全然してないし、俺以外誰も来ないから今すぐ辞めた方がいいよ」 「うーん……ちょうど何か部活やりたいなって思ってたから。放課後とか暇でやることないし」 「また適当なこと言ってない?」 「いや、そんなことないさね。テレビとか漫画とかで見る高校生はみんな部活とかしてて楽しそうだからさ、高校生になったらそういうことやってみたかったんよ」 「だったら一年の時からどっか部活に入れば良かったじゃん」 「……何部に入りたいっていうのが特にないんよ。中学の時は強制だったから野球部入ってたけど、高校のはついていけなさそうで……元々友達に誘われてやってた程度のものだし」 「ふうん。そんなんだと簡単に他人にいいように利用されそうだな。まあ、気付かなそうだけど」  今さらりと、とんでもないこと言われたような気がする。 「水本は中学の時、何部?」 「うちは強制じゃなかったから入ってない」 「宮ちゃんと同中だいね?」 「ああ、宮坂? そうだね」     
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