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「颯斗、部活に行こう」
放課後、いつものように俺を迎えに来る純平。
だけど、そんな純平に俺はごめんのポーズをとった。
「純平、悪いんだけど先に部室に行っててくれる?
俺、ちょっと用事があるんだ」
「いいよ、じゃあ後で」
純平に手を振ると、俺はついさっき教室を出て行った伊織の後をこっそり追った。
学校が終わると、すぐに家に帰る伊織だけど。
伊織が向かったのは、昇降口の方向じゃなかった。
面倒くさがり屋の伊織が行くところって、一体どこ?
本人に直接聞けばいいのに、この頃避けられている気がして、なんだか聞くに聞けない。
情けないけど、こうして後を追っているというわけだ。
伊織が向かったのは、3年生の校舎のさらに奥だった。
こんな場所に、一体何の用事?
そのまま伊織に見つからないように追いかけてみれば、伊織はとある場所の前で足を止めた。
そこは、小さなプレハブ小屋だった。
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