第1章 マイホームできました

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「予定のない出費だよ!せめて、一言声かけて欲しかったな」とクレームを言うと、「なんで怒られるのか意味がわからない」としれっと言われてしまう。 最近、こういうことが増えてきた。 これが結婚して慣れてきたっていうことなんだろうけど、二枚で10万円越える買い物なんだし、晴馬の方がお給料良いのは知ってるけどなんか、やだ。 「晴馬のこと、信じてないわけじゃないの。 じゃあさ? 私がある日、10万円以上の家電でとかお洋服とかバッグとか買ってきたらどう? 想像してみてよ」 「・・・・・わかんない」 「もう、ほんと。そういうところ、嫌い」 嫌いっていうキーワードに滅茶苦茶弱い晴馬が、どんどん悲しそうな顔に崩れていく。 「じゃ、お鍋は?この前、保育園の先生の間で米国製のお鍋の話が出てたの。フルセットで20万円するんだって。それを、私が相談もなく買ってきたらどう思う?」 「鍋に20万円?」 「フルセットだよ。フライパン2種類と片手鍋3種類に、大なべ一つ」 「それは、モノを良く見てから決めなくちゃいけないヤツだろ」 「そうでしょう?晴馬も見たいでしょ?ちゃんと納得したいよね?」 「・・・お・・・おう」
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