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「わぁあ!新米っ」
土鍋の蓋を開けると、炊き上がった新米のほんのり甘い香りが、ほかほかの湯気と共に食堂に広がります。
葉子さんは堪らず、頬が緩んでいます。
「きんぴらのお野菜、切れました?」
炊いたご飯を軽く混ぜて、再び蓋をしてそう訊ねると「はい!」と、切った人参とゴボウをお皿に移して手渡して下さいました。
旬の栄養たっぷりの人参は、うちの畑で収穫したものです。
私はそれを、ごま油を熱したフライパンで、甘辛のきんぴらにしました。
お砂糖とお醤油でシンプルに味付けし、軽く炒ったいり胡麻をかけます。
胡麻の風味と、ぽりぽりとゴボウの食感を残したきんぴらごぼうの完成です。
隣のコンロではお味噌汁も完成し、後はお客様を待つのみです。
葉子さんが珈琲を入れて下さるとのことで、私は表に出てぽんすけと遊んでいることにしました。
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