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「葉子さん、具合はいかがですか?」
2階にある、葉子さんの部屋の扉を開けると、葉子さんはお布団からちらりと顔を出して「は、鼻が・・・」と困ったように笑っています。
枕元には、ティッシュ箱と、ごみの沢山入ったゴミ箱がありました。
「これ、良かったらどうぞ。もうお昼ですから何か食べないと。治るまで、ゆっくりしてくださいね」
そう言って私は、傍にある小さなテーブルに土鍋と湯飲みを乗せたお盆を起きました。
「あれ、何ですかそれ・・・?」
葉子さんは体を起こして、お盆の方を覗き込みました。
「生姜たっぷりのお粥と、卵酒ですよ。体も温まりますし、卵酒は鼻風邪に効くと言われているので。食べられそうなら、しっかり食べてくださいね」
「食べます、食べます!あー、ハルさんのご飯・・・唯一の楽しみですぅ・・・あぁ、息がくるしい。鼻がぁぁ」
葉子さんは1度鼻をかんでからテーブルの前に座りました。
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