1735人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、どうぞ」
おせち料理と、お雑煮。焼いた鮭のおにぎりをお出ししました。
「村の人も来てくれるなんて良いねぇ」
隣のテーブルで見ていたタツ子さんもニコニコしています。
「沢山の方に足を運んで頂けて、幸せですよ」
私はそう言ってキッチンの丸椅子に腰掛け、葉子さんに「お疲れじゃないですか?部屋で休憩してくださっても大丈夫ですよ」と伝えました。
白井さんは、美味しそうに海老を召し上がっています。
朱色の大きな海老は、お出汁で煮ているので柔らかくぷりぷりしていて風味も豊か。
長寿を願う海老や、元気に過ごせるようにと願う黒豆。五穀豊穣を願う田作りなんてのも、この村にはぴったりのお料理ばかり。
そんなお料理に込めた想いと、美味しそうに食べてくださる人。
この風景を眺めていると、食堂をやっていて良かったと、心から感じられます。
最初のコメントを投稿しよう!