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「そう言えば、雪降ってきましたよ」
小田さんが指差す窓を見ると、いつの間にかふわふわと雪が舞い始めていました。
「おやおや、じゃあ寒くて暫く帰れないねぇ」
「はははっ。そうですなぁ。こりゃあここでのんびりしていなきゃいけないですね」
タツ子さんと白井さんはそう言って笑いました。
「ハルちゃんとまだまだ居たいから、帰れない理由が出来て助かったよ。あはははは」
タツ子さんの笑い声につられて、小田さんや白井さんも笑いだし、店が賑やかになります。
「ふふっ。いくらでも居てくださいね。何なら、お茶菓子でもお出しして皆でゆっくりしましょうか」
「あ。じゃあお土産に持ってきた、うちの店の野菜チップスも出そうかね」
そう言って鞄から、以前タツ子さんの【おばぁの野菜カフェ】で食べた野菜チップスを出してくださいました。
「やったー!私も食べますっ」
私たちの声が聞こえたのか、葉子さんが階段を掛け降りてきました。
「あらあら、はははっ。元気な店員さんだねぇ」
「家に独りで居ないで、出て来て正解だったよ」
「私も、今日ここに来れて良かったぁ。ね、ぽんすけ」
そうして、私たちはテーブルを囲んでお茶とお菓子を用意して、お喋りに花を咲かせました。
小さな村のはずれにある、小さな食堂。
今日は店の外にまで笑い声が聞こえてるんじゃないかしら?
そんな風に思うほど、とても楽しいお正月を過ごしました。
おにぎり食堂「そよかぜ」を、今年も宜しくお願い致します。
可愛い看板娘のぽんすけ
元気で働き者の葉子さん
そして私、桜井ハルが皆様のご来店を心より御待ちしております。
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