平成最後の桜

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おかずを食べ、おにぎりを召し上がっていた頃、食堂の扉が開きました。 「こんにちは!はぁ・・・間に合った」 「あら、佐野さん。いらっしゃいませ」 「雅紀君、ごめんね。先にいただいちゃってた」 「ううん、先に食べてくれてて良かったよ。待たせてたらどうしようって思ってたから」 佐野さんはそう言うと、持っていた段ボール箱をキッチンのカウンターに置きました。 「これ、良かったらどうぞ。ばっちり熟れて甘いですよ」 「来たー!!」 待ってましたと言わんばかりに、葉子さんが看板作りを切り上げて、手を洗って箱を覗きに来ました。 「うわぁ!真っ赤!美味しそうーっ」 「まぁ、こんなに沢山。宜しいんですか?」 「勿論ですよ!世話になってるお礼です。これじゃ足りないくらいですよ」 雅紀さんの言葉に、美香さんも頷いています。 「ここが無かったら、雅紀君とも出会えなかったものね。感謝してもしきれないわ」 「ふふっ。ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。沢山ありますし、食後に皆さんで食べましょうね」 「はい!いやぁ、お腹空きましたよー」 雅紀さんはそう言うと、美香さんの向かいに座りました。
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