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知覚するのは光りと痛み。
幼い頃から過ごした能力開発アカデミー"ユートピア"から追い出されてどのくらいたったか、彼の声は救いだった。
「おい、しっかりしろ、ゆう…」
「…ユートピアのロストナンバーだ、勿体ない」
「…君、名前は?」
「被験体に名前なんて無いだろ、ここに管理ナンバーが」
信は唇を噛みしめ
「…1028、1027」
「ゆう、今日からこの子たちはウチの子にする!名前もつける」
「…ボスが決めた事にNOなんて言わないよ」
信が微笑む
「おいで、帰ろう」
ーーー僕、二宮咲也が反アンドロイドギルド"エリダ"に入るまでの話しだ。
ー3年後。
僕、二宮咲也と一緒に拾われた三谷吟は、能力開発アカデミー"ユートピア"でロストナンバーになったものの能力はそれなりにあるので、拾ってくれた反アンドロイドギルド"エリダ"の実行部隊員として活動している。
世界はエデンの東に有った学習用AI"アリス"の超進化と暴走に巻き込まれ、暴走したAIとAIをのせたロボット、アンドロイドと人間の戦争が始まり、数年がたっていた。
今日相手にしたのはAIをのせた大型ロボットとアンドロイド数体。
吟が人より強い力でもって大型ロボットを叩き壊し、俺は腐食性の体液でもってアンドロイドを壊す。
戦闘後俺は脱水気味になり、吟は低血糖におちいる。
タイミングを見計らったように"エリダ"のNo.2小森友一が現れ補給品の水を咲也にわたす。
咲也は耐えられないとばかりに水を飲む。
しばらくして朦朧とした吟が咲也に口付ける。
咲也は腐食性の体液を意識して補給しやすい糖質の体液に変える。
舌の根まで吸い付くような口付けを引き剥がし水を飲む。そしてまた吟の口付けを受ける。
何度か繰り返し、ひと息つくと小森は紫煙を燻らせボンヤリとしていた。
「小森サン、No.2みずからデリバリーお疲れ様っす」
小森は吸いかけのタバコを投げ捨て靴底でもみ消す。
「いいんだよ、別に、それに戦闘後の補給行為を人には見せたくないんじゃないかな~って、お節介だし」
すっかり正気の吟が
「そりゃそうっすよ、キスは本当なら好きな人としたい」
「そりゃま、そうだな」
「…俺も、好きな人とキスしたいっす」
一瞬だけ目線が交わって、小森は目を伏せる。
「こんなご時世だ、後悔の無いように好きな子とキスくらいしとけ」
「好きの相手がボスでも小森サンはそう言えますか?」
改めて視線が交わる。
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