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 そこにはミサイルが並んでおり、火を拭いて宙を飛び、ロボット犬に襲いかかってゆく。  ウィンガーは壁に、天井にと自在にジャンプしてそれをかわし、発射した怪獣にひるまず向かってゆく。目標を見失ったかと思われたミサイルは、だが追尾機構が備わっているのか、Uターンしてウィンガーに追い迫る。  ウィンガーは背後に迫るミサイルに気付いていない訳ではなかった。ロボット怪獣の正面にピタッと一瞬立ち止まり、振り下ろされる怪獣の豪腕をくぐって急角度で怪獣の脇を擦り抜けた。振り下ろしたかいなとも見える前足を戻して顔を上げた怪獣の眼前に、ミサイルが迫っていた。ウィンガーが立ち止まったその一瞬の間にミサイルは回避不能なほどに間を詰めていた。ウィンガーは一瞬立ち止まる事によって、怪獣に向けてミサイルを背後に引き寄せたのだ。  ロボット怪獣は見る。自分にミサイルが激突して爆発し、視界がホワイトアウトするのを。怪獣は爆散した。  ウィンガーは天井を見上げる。爆発の振動で石くれが落下してきたが、崩落は免れたようだ。  一瞬後、トンネルは怪獣の爆発による爆炎で視界が封じられたが、ウィンガーは爆破前に見定めていた前方の2体目に、そのまま照準を合わせて突っ込んでゆく。  その首にはめられた首輪だと思われたリングが身体を離れ、ブーメラン状に変化して飛行し、怪獣の両腕と頭を瞬時に切り落とす。  頭と両腕を失った怪獣は、ずん、ずん、と2、3歩歩んで、ずしーんと轟音を立ててくずおれた。ブーメランは再びリングとなってウィンガーの首に舞い戻る。  ウィンガーの行動は、直接多香子の脳に送られるウィンガーのカメラアイの映像によって、逐一把握されている。 「今は切断技はNGなんだけど、ま、いっか~」  苦笑する多香子に30代男は憤慨し、 「何を意味不明な事を言っているんだ。て、言うか、人間から作った怪獣を、よくためらいもせず、無慈悲に殺せるな、クリスタルセブン!」 「あ、そっか。いっけなーーい。すっかり忘れてた。てへっ。・・・怪獣にされた人たちは、もう二度と人間の姿には戻れないのよ! だから、安らかに眠らせてあげるのがせめてもの情けなの!・・・ってオチでどう?」 「オチって何だ、オチって! おのれ~、こうなったら!」  人間に憑依せず空中を漂うままのルーク星人たちから、多香子に向かって七色の光線が放たれた。
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