1837人が本棚に入れています
本棚に追加
「……紬、顔、死んでるよ？無理しすぎだよ」
取材で久しぶりに会った朝比奈さんにそう言われる始末。
…そう。
伊織さんがほぼ毎週そういって出かけて一人でベッドに入る寂しさたらなくて。酷い時には起きた時にはもういないことも。
正直、辛くて仕方なかった。彼の思い通りになっていたとしても、もう我慢の限界まできていた。
「そう彼に言えばいいんじゃない？」
「…でも、彼の思い通りになってるんです、僕」
「思い通りになるのとこのまま彼が木嶋さんに取られるの、どっちが嫌なの？」
「…そんなの、」
伊織さんが離れていく方が嫌に決まってる。
「なら、伝えなよ、その気持ち」
朝比奈さんにそう言われ、今夜話してみよう、そう思って取材を終えて、晩御飯の買い物をして帰宅した。
最初のコメントを投稿しよう！